十代若者のうつ病診断に将来的に有用となりうる血液検査が、米ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部(シカゴ)精神医学教授のEva Redei氏らによって開発された。
うつ病は十代若者や若年成人の17~25%に認められ、十代でうつ病を発症した患者はそれ以降に診断された患者よりも予後が不良である。Redei氏らはまず、ヒトのうつ病を模した症状を有するラットを用いて26種類のバイオマーカー候補を特定した。ラットの症状はヒトと同様、遺伝的要因または環境的要因のいずれかと関係していた。
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遺伝子とそれに対応する蛋白(たんぱく)の中間分子である転写産物(transcript)を調べた結果、永続的なうつ病のラットでは血液および脳内に正常な動物とは異なる11種類の転写産物、また環境が原因のうつ病のラットにおいては増減する15種類の転写産物が認められた。転写産物レベルの差は遺伝子発現の変化を示している。
同氏らは次に、シカゴ地域の白人および黒人の十代若者28人を対象に、血液検体中の26種類のバイオマーカーレベルを比較した。被験者の半数はうつ病患者であった。その結果、うつ病患者では11種類のレベルが高いか低かった。また、18種類はうつ病患者における不安障害の有無を正確に予測した。
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Redei氏は「血液検査によるうつ病の診断はより正確であると思われる。次のステップとして、バイオマーカーを大規模な十代若者群で検討する必要がある。現在、うつ病の診断は主観的であり、患者の気分に関する医師と患者の会話が関与する。特に十代では情緒的に難しい時期に入るため、評価は慎重を要する。バイオマーカーによる客観的な診断により十代若者の診断が容易になり、うつ病関連の偏見の一部を取り除くことができる。これらのバイオマーカーの発見により、研究者にとっては有望な抗うつ薬として追求すべき標的の新しいリストが得られたことになる」と述べている。
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米カンサス大学医学部(ウィチタ)精神医学教授のSheldon Preskorn氏は、「より大規模な研究を行えば、これらのバイオマーカーがどの程度有用であるかに関して多くのことが判明する。うつ病に対する信頼できる血液ベースの診断法をもつことは、症状発現前での治療に扉を開くことにもなる」という。研究結果は、医学誌「Translational Psychiatry(トランスレーショナル精神医学)」4月17日号に掲載された。(HealthDay News 4月17日)
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